中山鑑定士のコラム

投稿日:2020年3月4日

今回はもう一つ気になったことがあるので、読者の方は一緒に考えてほしい。

私は健康を兼ねて月に一回程度ゴルフをするが、それも月例に参加するだけで、プライべ-トゴルフは滅多にしない。

10月に入ると気候のせいと日曜日ということもあって、いつもより月例参加者が多く、その上、ビジタ-によるプライベ-トゴルフ参加者が多く満杯の状態であった。

ここの6番ホ-ルは、私の最も苦手とするホ-ルである。

左側にバンカ-、右側は林がせり出しているにもかかわらずOBゾ-ンではない。だからいつも右に打って林の中から苦労する。

スプ-ンでティ-・ショットすれば、フェアウェイは広く使えるのだが、セカンドの距離が残りすぎる。だからどうしてもドライバ-を持ちたくなってしまう。

 

その日もドライバ-を持ち、右の林の中に入れてしまった。学習能力がないといわれたが、セカンドで横に出せばよいと思っていたら、キャディ-さんが「もう一球お願いします」と言う。

「いや、あそこはOBじゃない」と言うと、

「今月からOBになりました。このホ-ル、いつも進行が遅くなってしまうので、理事会でOBになったのです」

「えっ! じゃあプレイイング4で打つの?」

キャディ-は笑って

「月例にプレイイング4はありませんよ。ここからもう一回打って下さい!」

私は右に行かないよう、ドロ-・ボ-ルで攻めたのですが、あいにくバンカ-に掴まってしまいました。

まあ、よくある話ですが、この話をしたのはプレイの進行上でOB杭を入れたり動かしたりすることはよくあることなのです。

即ち、ゴルフ場の運営の都合上でプレイのル-ルを変更することはめずらしいことではありません。

ティ-・ショットで打ち直しを強制したり、或いはプレイイング4にしたりプレイイング3にしたりすることは、そのゴルフ場が定めたル-ルなのです。

 

当たり前だと思う人に尋ねます。

 

多くのゴルフ場の固定資産税の課税に関して、OB杭よりスル-・ザ・グリ-ンと反対側、即ちOBゾ-ンは通常林になっています。

ゴルフ場は、大半が雑種地課税されていますが、このOBゾ-ンを現況に合わせて山林(林地)として課税している自治体がかなり多くあります。

我々ゴルファ-にとって、ティ-グラウンド、フェアウェイ、グリ-ン、池、バンカ-、クリ-クそれにOBである林も総てゴルフ場として認識します。

OBである林があるから、ゴルファ-が悩み、悩みがあるからゴルフが楽しいのです。ゴルフ場にある山林は、木材生育のためではありません。

OB杭と云うのは、課税上の雑種地と山林を区分するために設けられたのではありません。OB杭は、ゴルフプレイ・ル-ルの救済処置として設けられたものです。

要するに、現況課税地目とゴルフのル-ルを全く異なるカテゴリ-で課税評価額と云う土俵に上げてしまったのです。

「いや、OB杭とは関係なく、うちは現況地目で評価しているから問題ない」と言う自治体は、家の敷地内にある家庭菜園を農地として評価しているかと問われます。規模の大小とは関係なく、敷地全体が何を目的として使用されているかの判断が重要だと思います。

OBゾ-ンを山林評価している自治体には、ゴルフ場のオ-ナ-から圧力がかかって現況評価しているかもしれません。仮にそうだとしたら、せめて駐車場を雑種地扱いする場合の条件としてフェンスで区切るよう指導しているのと同条件で、OB杭に沿って高いフェンスで区切ることを条件に山林評価しないと公正・妥当な課税とはならないのではないでしょうか。

念のため付け加えますが、この問題を解消しても貴方のスコアに変化はありません。カテゴリ-が異なるからです。

 

 

中山恭三(なかやま きょうぞう)/不動産鑑定士。1946年生まれ。1976年に㈱総合鑑定調査設立。 現在は㈱総合鑑定調査 相談役。著書に、不動産にまつわる短編『不思議な話』(文芸社)が昨年2月に出版した。

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